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2022-02-26 19:34:00

よくある間違い

この仕事、長くやってい入ると、下記のパターンによく遭遇します。

 

 

代表的なものを思いつくままにいくつか挙げてみました。 

 

①片手が上手く挙がらない。片麻痺の後遺症と言われた。筋力をつけるように指導されて筋力増強訓練をやっている。

 

②四十肩・五十肩で手が挙がらない。痛いところをストレッチ、マッサージ、温熱、肩を動かしている。

 

③入院直後のリハビリ初回で腰痛が大きく改善したが、主治医は入院による安静で改善と判断、電子カルテに記載した。

 

④腰痛を訴えたら、痛い部位を間違えられ、異なる部位のレントゲン、MRI検査を受けた。

 

⑤若年の学生が急に床から立ち上がれなくなった。神経難病や精神的な要因を疑われた。

 

⑥首が下がって挙がらなくなった。首を支えるネックカラーを無期限で処方された。

 

⑦腰痛の診断で、腰部コルセットを無期限で処方された。

 

 

今回は①と②について述べたいと思います。

 

本日、①のケースの方がお見えになりました。直ぐに、よくある間違いのケースのひとつだと確信しました。

 

片麻痺は誘因ではあっても、片手が挙がり辛い直接の原因ではありませんでした。

 

肩甲骨の筋繊維の癒着を丁寧に開放すると、あっという間に可動域制限は改善しました。

 

肩甲上腕リズムの運動学が机上だけのものとなり、実践で全く活かされていません。

 

肩甲骨の可動性が低いにもかかわらず、肩関節の可動域の拡大を進めると肩関節上方に位置する腱板の痛みを引き起こしてしまいます。

 

最悪の場合、腱板断裂となり手術が必要となります。四十肩・五十肩で肩関節の前上方が痛い方は要注意です。

 

肩甲骨が固いにもかかわらず筋力増強訓練を勧めてはいけません。

 

また、痛い腱板をマッサージするのではなく、肩甲骨にアプローチします。腱板が痛いのは肩甲骨の固さによるものがほとんどです。

 

肩甲上腕リズムの運動学に注目したとしても、肩甲骨を術者が両手で把持し、ただ単に前後・左右に動かす単純な運動ではほとんど改善しません。

 

残念ながら病院では昔からこの単純な方法がスタンダードです。肩甲骨の扱いは、丁寧な触診と卓越した技術、細心の注意が求められます。限られた短い時間での流れ作業的な施術では改善は難しいのです。

 

僭越ながら、中堅や若い医師たちに間違いを指摘するのですが、中堅や若い勉強熱心な先生方は興味を持って真剣に聞き入ってもらえます。

 

しかしながら、経験を積んだ年配の医師には聞き入れられないこともあります。経験を積んだ故の経験則と相反する事象、指導する立場の逆転が受け入れ難いのだと思います。

 

教授や病院長クラスにもなると、両極端は似るといいますが、若い医師と同様に受け入れてもらえます。

 

 

 

③~はまた後日に。