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2021-10-26 12:05:00

第29回日本腰痛学会に参加して

10月22日・23日の両日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催された第29回日本腰痛学会に参加しました。

 

2021年はオリンピックイヤーです。これを記念した東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問であるバレーボールメダリストの三屋裕子氏の招待講演が印象的でした。

 

昔と違って、現在はオリンピック強化選手に対して、シットアップ(腹筋強化)を実施していない。腹筋の高緊張はパーフォーマンスの低下になるとのこと。

 

また、腰椎だけの可動性拡大の運動も実施させない。胸椎や下肢など腰椎周辺の可動性拡大が腰痛対策として重要との講演内容でした。

 

腰痛患者さんに腹筋や背筋の筋力強化を勧め、運動で腰椎の可動性拡大を求めている整形外科医の先生方に、講演内容がどこまで理解してもらえたのか分かりませんが、私も全く同意見です。

 

従来のアスリートのトレーニングには筋力強化主体の単調なものが多く、私はあまり良い印象を持っていませんでした。

 

三屋氏が語られた現在日本のトップアスリートの強化プログラムは素晴らしいものがあります。

 

しかしながら、私ならば、腹筋の筋力強化をしないに止まらず、ダメージを受けた腹筋の癒着をとるもっと積極的な対策を取ります。

 

また、腰椎だけの可動性改善運動は、三屋氏が指摘されたように、確かに腰痛に対して逆効果となる可能性があります。これもたいへん重要な内容です。

 

そして、腹横筋の活性化(筋力強化ではない)が腰痛改善に重要との見解を述べられていた先生もいました。

 

車いすテニスの金メダリスト国枝慎吾選手が、この先生の指導により活躍されたとのお話でした。

 

腹部は腰痛に大きく関わっています。このことは、もはや私個人の持論ではないようです。

2021-10-21 17:24:00

10月22日・23日、お休みします。

10月22日・23日、日本腰痛学会参加のためお休みいたします。ご不便をおかけして申し訳ありません。

2021-10-19 09:40:00

歩行分析の意義

当院は都内で唯一、詳細な歩行分析により施術を実施する腰痛専門の整体をうたっています。

 

都内唯一としたのは、全国を隈なく調査することが困難であり、誇大広告にならないよう配慮したからです。

 

2台のビデオカメラで詳細に歩行分析する腰痛専門の整体は、全国でもおそらく当院だけです。

 

歩行分析から様々なことが解ります。

 

骨盤や股関節・膝関節・足関節の可動性、筋緊張、癒着筋の有無・程度など様々な病態が読み取れます。

 

クリニックなどでの簡単な歩行分析は、足を引きずっていないか、姿勢は悪くないか、など大雑把な奇異歩行の有無で行われています。

 

 パーキンソン病などの特徴的歩行から診断名の推測はできても、筋肉や関節の病態、痛みの原因までをこれで解析することはできません。

 

歩行時の頚部・肩・体幹・骨盤・股関節・膝・足関節の動きを人の目で、同時かつ瞬時に個別に解析することは確かに至難の業です。

 

最近は歩行分析装置という機器があります。

 

しかし、この歩行分析装置は研究用であり、広いスペースを必要とし、設定に時間が掛かるため、日常診察の場では利用されていません。

 

医学部の授業に歩行分析の講義はないようです。理学療法にも座学はあっても実践的なものはありません。そのため、詳細な歩行分析ができない専門家がほとんどです。

 

私が歩行分析を本格的に始めたのは38年前の学生だった時です。イギリス発祥のボバース法の指導を実習地で受けました。ボバース法は動作分析・歩行分析の評価を重視しています。

 

最初は全く詳細な歩行分析ができなかったのですが、毎日歩行分析の指導を受けていて、骨盤の最適な回旋のタイミングが理解できるようになりました。

 

当時の実習指導の先生方には感謝しかありません。その後取得したボバースの国際ライセンスは職場に掲示してあります。

 

初回の施術時に、施術の前後で2台のビデオカメラを用いて歩行をビデオ撮影し、ご本人様にこれを見ていただき変化を確認していただいています。

 

腰痛は歩行に大きな影響を与えています。初回の施術で、腰痛が改善するだけではなく、歩行も変わります。歩幅や前傾角度など数値を示すことも可能なのですが、なによりも見た目の印象が若返ります。

 

歩く姿勢が10歳若返りましたと喜ばれています。足を高く挙げるとか、背筋を伸ばすとかの歩行の指導は一切行っていません。

 

若い経験の浅い専門家?に多いのですが、歩行の動作を一つ一つ口頭で指導する理学療法士がいます。

 

意識的な歩行姿勢の改善は無理です。歩行は無意識的に行われる行為であり、無理に矯正しようとすると体の一部に無理がかかり痛みを生じることもあります。

 

口頭で歩行を指導するのではなく、正常歩行が可能な身体に改善することが、専門家本来の使命です。

 

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