インフォメーション
2021-12-15 19:40:00
腰痛の施術
腰痛の施術は大まかですが以下に分類されます(歴年代順)
①痛みの原因に関わりなく、鍼灸により痛みを抑制する方法(よくある鍼灸マッサージ)
②電気治療と温熱、牽引、簡単なマッサージを組み合わせた簡便な方法(整形外科クリニック、接骨院など)
③カイロプラクティック(米国発祥、最近あまり見なくなった。減退傾向)
④40年位前からある腰痛の原因を仙腸関節とする施術。40年経っても広く普及しない。縮小傾向。昔研修会で大御所にやってもらったが、私の腰痛には全く効果なかった。治療スタイルが似ている側臥位での胸郭可動域訓練のほうが効果があった。
⑤15年位前からある筋膜の癒着が腰痛の原因とする施術。研修会で施術を間近に見たことがありますが、手技は大雑把で、あまり良い印象がありません。
⑥整体の大手全国チェーン店。レベルのばらつきが問題。過去に肩甲骨はがしを実施していたが、全国で肩甲骨の骨折が多発しニュースになった。さすがに現在では、大手は肩甲骨はがしの用語を使用していない。
⑦5年位前からある関西の某整体経営コンサルタント会社によるわずか数日間の腰痛研修と経営指導を受け、腰痛の専門家を自称する人達。全国に多く点在。口コミに頼らないインターネットのみによる一見客の集客方法、今だけ・限定数名などの誘引広告の常時表示、初回だけ極端に安い高価格設定、初回に大きめローラー(百均にもある)のプレゼント、誇大広告、お約束事、使用している文言が同じなど、経営者は違えど共通点が多い。
⑧ものまねを良しとしない腕に覚えのある新興の個人店(当店がこれです)。
当店はイギリス発祥のボバース法を腰痛に適応、多角的な視野から個々の腰痛の原因を追究・施術し、腰痛を改善します。1回の施術で数十箇所の筋繊維(筋膜ではない)の癒着を開放します。腰痛の原因は、各人なんと数十箇所以上あります。とても緻密な施術です。
2021-11-26 18:35:00
85歳女性店主の腰
先日、ヒューマングルメンタリーオモウマい店 焼き鳥店の85歳女性店主の番組を観ました。
新潟の繁盛店です。85歳女性店主の動作分析をついついしてしまいました。
鶏肉が詰まった重い箱を小柄な85歳女性店主の方は軽々と持ち上げていました。
私が注目したのはその腰の使い方です。腰の曲げ伸ばしで持ち上げるのではなく、
しなやかな竹のように、脊柱全体の均等な屈伸運動で箱を持ち上げていました。
上体の胸椎(胸の背骨)や胸郭(肋骨)が固いと、こうはできません。勢い、腰の屈伸で物を持ち上げることとなります。
そうなると腰椎のL4、L5に過度な負担が掛かり、腰を痛めてしまいます。
腰痛の予防・改善には胸椎、胸郭のしなやかな可動性が不可欠なのです。これらが固いまま腰を柔らかくすると柔らかい腰に更に負担が集中します。
胸椎、胸郭の可動性改善の方法でしたら、毎年2回、春と秋に、私が中心になり、東京都市部の保健師や訪問看護師、理学療法士など50人程度、講堂に集めて実技指導していました。
健常人でも50人も集まれば、1人や2人は胸郭がとても固い人がいることが多々ありました。実技指導により、受講生の固い胸郭は動きを取り戻すことができます。
結果を出す実技指導が受講生に好評でした。毎年恒例の呼吸訓練の講義でしたが、この手技が腰痛に対して、まさに応用できます。腰痛予防・改善には上体と股関節の可動域改善が不可欠です。
2021-11-08 11:50:00
腰を柔らかくしてもらって気持ち良かったが・・・結果、腰痛が悪化
第29回日本腰痛学会に参加しての続きです。三屋裕子氏講演の「腰部の可動性改善は腰痛を悪化させる。」は
実に明快な見解です。そうではないだろうかと兼ねがね思っていましたが、はっきり断言されると目が覚める思いです。
胸椎(背骨の胸の部分)・胸郭(肋骨)と股関節の可動性改善が重要とのこと。下肢の可動性改善に関しては重点をおいてきましたが、
可動性の悪い胸椎を動かそうと大きな力を加えると胸椎や肋骨の骨折などのリスクがあります。
屈強なアスリート向き手法ではなく、一般人に対して安全に胸椎の可動性改善ができないか、学会の後、思案していました。
可能でした、安全な胸椎の可動性改善が。そして、これには思わぬ副産物がありました。肩の動きや肩凝りの改善を確認しました。上半身の動きが楽になります。
しかし、この手技は手間と時間を要します。もう少し手早くできないか検討を重ねています。
前屈みに抵抗がある方のほとんどは胸椎の可動性が低いです。結果、腰部に負担が掛かり腰痛を招いていました。
これが改善できるとなれば大きな進歩です。
第29回日本腰痛学会のテーマは「新時代の先導」でした。
2021-10-26 12:05:00
第29回日本腰痛学会に参加して
10月22日・23日の両日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催された第29回日本腰痛学会に参加しました。
2021年はオリンピックイヤーです。これを記念した東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問であるバレーボールメダリストの三屋裕子氏の招待講演が印象的でした。
昔と違って、現在はオリンピック強化選手に対して、シットアップ(腹筋強化)を実施していない。腹筋の高緊張はパーフォーマンスの低下になるとのこと。
また、腰椎だけの可動性拡大の運動も実施させない。胸椎や下肢など腰椎周辺の可動性拡大が腰痛対策として重要との講演内容でした。
腰痛患者さんに腹筋や背筋の筋力強化を勧め、運動で腰椎の可動性拡大を求めている整形外科医の先生方に、講演内容がどこまで理解してもらえたのか分かりませんが、私も全く同意見です。
従来のアスリートのトレーニングには筋力強化主体の単調なものが多く、私はあまり良い印象を持っていませんでした。
三屋氏が語られた現在日本のトップアスリートの強化プログラムは素晴らしいものがあります。
しかしながら、私ならば、腹筋の筋力強化をしないに止まらず、ダメージを受けた腹筋の癒着をとるもっと積極的な対策を取ります。
また、腰椎だけの可動性改善運動は、三屋氏が指摘されたように、確かに腰痛に対して逆効果となる可能性があります。これもたいへん重要な内容です。
そして、腹横筋の活性化(筋力強化ではない)が腰痛改善に重要との見解を述べられていた先生もいました。
車いすテニスの金メダリスト国枝慎吾選手が、この先生の指導により活躍されたとのお話でした。
腹部は腰痛に大きく関わっています。このことは、もはや私個人の持論ではないようです。